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▶2014年6月22日 日本の心と靖国神社(1)

 = 日本の精神科の患者数は毎年増加している =

 過去のブログでも紹介したように、メンタルサポート心理相談室では、希望するクライアントさんたちを伊勢の神宮にお連れしています。今年の秋には、出雲大社とイザナミノミコトの御陵への参拝を予定しています。そして、6月22日には9名の参加者(クライアントさんたち)と共に靖国神社に参拝してきました。勿論、希望者だけをお連れしています。
 でも、一般的には「どうして、心理療相談室がクライアントを連れて神社参拝するの?」「しかも、靖国神社に??」「右翼じゃないの???」「怪しい!!!」という疑問や違和感をお持ちになる方が大多数だと思います。
 本シリーズ「日本の心と靖国神社」では、今まで誰も語ったことのない視点から、乳幼児期の親子関係でできた「トラウマの課題を真に解決する」ことと、古代から絶えることなく脈々と続いている日本文化を引き継いている由緒ある神社に参拝し、その場に身を置くことの意味と必要性についてお話していきたいと思います。
 心の専門家も含めて心理学やセラピーに詳しい方でも、今までこのような視点で心理療法を捉える考え方に出会ったことはないと思います。是非、ご批判も含めて、ご意見を頂けましたら幸いです。

 先ず、以下のグラフをご覧下さい。日本の精神科医療機関を受信した患者数は増加しています。この傾向は今でも続いていますし、今後も続くと考えられています。また、統計学的には数値に現れた10倍以上の予備群がいると言われています。ということは、心の問題や精神的な辛さを抱えて、人知れず苦しんでいる人たちは、想像を超える数に達すると予想されます。私はトラウマセラピストとして、世の中の動きを見ていると、これは予想ではなく事実だと感じています。



 ここで考えて欲しいことがあります。それは、心理系の大学院では毎年多数の臨床心理士を養成しています。また、他の民間の心理療法家(カウンセラーやセラピスト)養成スクールからも、カウンセラーやセラピストの資格を取得した人たちが毎年毎年多数排出されています、なのに、どうして患者数が増え続けているのでしょか?
 心の専門家やマスコミからは、「人間関係が希薄なり、社会構造が複雑になって、社会的なストレスが増しているから・・・」と、通り一片のコメントしか聞こえてきません。では、心の専門家と称した人たちが増え続けているのに、心を病んでいる人たちが増え続けている原因はなんでしょう?
 精神科医やカウンセラーやセラピストからは、「自分たちが使っている理論や考え方、そして自分たちの技量にも問題があるのではないか?」 など、心の専門家が毎年増え続けているのに、患者数が増え続けているのは「自分たちにも原因があるかもしれない」というような意見は全く聞こえてきません。だからこそ、本当の原因には明らかにされず、事態は改善しないばかりか悪化の一途をたどっているのだと思います。
 このように、本当のことを理解しようとせず、根本的な解決方法が解明されないまま放置されてことこそが、患者予備軍の人たちが増え続けている原因ですし、時間の経過とともに患者予備軍人たちが徐々に患者へと移行して、患者数が増加しているのは明らかです。

 このような状態だからこそ、患者予備軍の人たちが勇気を出して精神科などの医療機関やカウンセラーの元を訪ねても、「あなたの考え過ぎです」「誰にでも悩みはあるもの」「趣味などを持てば大丈夫」など、正しい診断すらしてもらえないという話はよく聞きます。そればかりか、「もっと悪化してから来てください」など、信じがたいことを言われる経験者もいるのです。
 しかし、心の専門家の考えは正しいことになっているので、患者予備軍の人たちは自分が苦しいと感じるのは「自分が弱いから」「もっと自信を持たなければ」「もっと頑張らなければ」などと、自分を責めて益々辛くなってしまいます。
 フロイトの時代から歴史を振り返ると、精神的症状や病態は時代とともにめまぐるしく変化しています。だからこそ心の専門家は、時代の変化ともに心の病がどのように作られるのかについて、常に現実を見据えた虚な姿勢で研究し続けることが不可欠です。
 しかし、多くの心の専門家たちは自信過剰で謙虚さと柔軟な視点に欠け、変化し続ける時代に対応した研究に取り組んでおらず、古い考え方や固定観念から脱皮できずにいます。その結果として、根本的な問題解決ができずに、本当は精神的な症状を発症しかけている患者予備群の人たちが放置され、事態は悪化し続けているのだと思います。そして、患者予備群の人たちが増加し続け、徐々に患者へと移行して患者数が増えているのだと考えています。

 現在の心の専門家たちが症状と考えられていないけれど、放置しておけば患者(精神科レベルの病気になる)に移行する可能性のある症状とはどのようなものでしょうか?

【症状と考えられていない症状(これらも立派な症状です)】

 程度の差があるだけで、乳幼児期の親子関係でトラウマのない人はいません。ということは、症状のない人もいないということです。以下に示した項目は、社会的には症状だと認識されていないものですが、トラウマによって作られた立派な症状なのです。

「何となくやる気がない」・「自分のことが好きじゃない」・「本当は何がやりたいのか分からない」
「自信がない」・「自分を表現するのが苦手」・「心がいつも不安定」・「人目がとても気になる」
「対人緊張や対人恐怖がある」・「人間関係で同じような失敗を繰り返す」・「親子関係で悩んでいる」
「友だちができない」・「恋愛がうまくいかない」・「子どもがかわいくないし、つい叱ってしまう」
「気持ちが不安定なときは、たくさん食べると(セックスやオナニーをすると)落ち着く」
「仕事が長続きしない」・「不登校(出社拒否)や引きこもりである」・「慢性的な身体症状で悩んでいる」
「長年、肩凝りや頭痛で悩んでいる」・「睡眠障害がある」・「改善したい嗜癖(アディクション)がある」

 などです。如何でしょうか?このような症状のいくつかは、誰でもが感じているのではないでしょうか。これらの症状も、全て乳幼児期の親子関係でのトラウマによる症状です。
 トラウマによる重要な症状の1つに、人間関係の悩みがあります。多くの人が、親密な人間関係を築けずに悩んでいます。もし、心当たりの人がいましたら、ご自身のトラウマの問題に取り組むことで改善されていきますので、勇気を出して自分の幼児期のトラウマに向き合ってみてはいかがでしょうか。


▶2014年6月15日 「うつ病の起源」と人間の「うつ病の正体」(6)

=記録と記憶=

 「生物の存在目的は、存在し続けることである(種の保存)」と言ってよいほど、生物は生き残るために生存戦略を進化させ、種を存続させようとしてきました。脊椎動物の生き残り戦略の基本は、恐怖の記憶と学習能力と、優れた運動能力です。この生き残り戦略に欠かせない恐怖の記憶が、うつ状態(うつ病)ばかりでなく、統合失調症やアルツハイマーの起源になっているとはとても皮肉なことです。

 人は大脳が非常に発達しました。その結果、自分にとって都合の悪い記憶を消したり書き換えたりする情報処理が自在にできるようになりました。だから、同じ体験をしてもその人によって記憶内容が異なるのです。つまり、自分が認識している記憶が本当なのかどうか疑わしいのです。
 それでは、記憶を書き換たり消したりしたら、本当のことは永遠に葬り去ることができるのでしょうか?そんなことができたら、嫌な記憶は全て消して楽しい記憶だけを作れば悩みはなくなるし、うつ病で悩む人もいなくなるでしょう。
でも現実は、そんな都合よくはいきません。

【記録と記憶】

 私はトラウマセラピーの取り組みの過程で、過去の本当のことを思い出してもらうために、大脳が記憶の操作ができないような方法を使った退行催眠を開発して使っています。大脳は巧みな思考操作で辛かった記憶を書き換えたり消したりして、本人やセラピストを騙そうとすることなど簡単だからです。(このようなことは、インナーチャイルドワークなどの退行催眠を使っているセラピー現場では常に起こっています。)大脳の記憶を操作して、記録誤魔化す力は非常に強固なのです。

 実は、脳や体細胞の中には過去に本当に起こった全ての情報が保存されています。私はこれらの情報を、「記憶」と区別して「記録」と呼んでいます。
 「記録」には大別して3つの情報から成り立っています。1つはいつ、どこでどんなことがあったのかという事柄の「記録」です。この「記録」は主に海馬に蓄えられます。2つ目は感情やそれに伴ったイメージの「記録」です。これらの「記録」は大脳辺縁系というところに蓄えられています。そして3つ目は、体細胞中に蓄えられている「身体記録」です。例えば、恐怖を感じると筋肉は興奮して緊張状態を作り出します。これは過去と同じような体験をすると、その時の恐怖の感情が引き出されて(思い出されて)、過去と同じような筋肉の緊張が反射的に起こり、危険に対処しようとするのです。緊急事態に反射的に回避行動が取れるのは、感情記録と身体記録の共同作業の成せる技です。
 肩こりや緊張しやすい人は、このようなことが無自覚に常時起こっています。 頑固な首や肩の凝りで苦しんできた人でも、過去の本当のこと(記録)を思い出して開放すれば、肩こりも解消の方向に進みます。これは臨床的な事実です。
 体細胞に記録能力があるの?と疑問をもつ人がいると思います。ヒトは1つの卵細胞が分裂して、約60兆個の細胞で作られています。発生の過程で細胞の分化が起こりますが、神経(脳)細胞は神経細胞になる遺伝子が活性化して作られ、記憶や情報処理に特化した細胞のことです。つまり、微弱ではありますが全ての細胞に記憶や情報処理する能力はあるのです。

【本当のことしか意味がない】

 私は今までたくさんのカウンセラーやセラピストに会いましたが、ほとんどの人たちは、自身のトラウマ(過去の未解決の課題)の問題に手付かずのまま、治療者として人様(クライアント)の心の面倒を診ていました。勿論、その人たちも人知れず様々な症状を抱えていました。
ある精神科クリニック勤務のセラピストに話しを聞いたことがあります。その人は病院の方針でもある、NLP(神経言語プログラグ)をはじめとするアメリカ直輸入の精神世界系のセラピーを行っているそうです。そのセラピストは「患者の多くはこのような療法で症状は改善されていくのに、治療者である自分自信の症状は改善はおろか、自分が抱えている本当の課題への気づきが深まって辛くなってきている」というのです。どうして、このようなことが起こるのでしょうか?
 記録と記憶のところでお話したように、NLPをはじめとするアメリカ直輸入の精神世界系のセラピー・カウンセリング・その他の心理療法は、広い意味では認知行動療法に分類されます。つまり、辛いと認識している記憶から目をそらせるような行動をさせたり、記憶を書き換えるように操作して意識(認知)を変え、より高度な記録の誤魔化し方を学習させる方法です。
 症状化が軽ければ、この方法でも何とか改善したようには見えますし、一時的にはラクになったことにするのは簡単です。一例を示すと、新しい趣味ができてそれに集中していると、トラウマ(心)の課題から目をしらすことはできるので、課題は何も解決していないのに一時ラクになったように感じます。しかし、その趣味に興味がなくなると、また元の辛さが戻ってきます。通常はこのようなことを繰り返している人が多いです。
 しかし、トラウマの課題が深くて症状化が強くなると、認知行動療法では未解決な心の課題の抑圧は更に強化されるので、余計に辛くなってしまいます。先ほどお話したセラピストには、このようなことが起こっていることを伝えました。あとは、どのような方法で未解決な課題と向き合っていくかは、ご自身の選択に任せるしかありません。

⇒ 「うつ病の起源」と人間の「うつ病の正体」(7)へ続く
(本シリーズは、平成26年3月24日スタートです)


▶2014年6月9日 伊勢・熊野・名古屋聖地の巡りの旅(3)

= 名古屋の熱田区にある熱田神宮=

 熱田神宮は、かねがね参拝したいと思っていた神社です。やっと願いが叶いました。

◀熱田神宮

 熱田神宮は伊勢の神宮より歴史が古く、その起源は弥生時代まで遡ります。名古屋の南部の熱田台地の南端に鎮座し、古くは伊勢湾に突出した岬に位置していたそうで、周辺の干拓が進んで現在のような地形になったので、創建当時の面影はありません。
 三種の神器である「草薙剣」(くさなぎのつるぎ)を祀る神社として知られています。 明治以降の熱田神宮と明治政府の見解では、主祭神である「熱田大神」は「草薙剣」を御神体として寄らせられる(宿るということ)「天照大神」のことであるとしている。しかし、創建の経緯からすると、熱田神宮は日本武尊(やまとたけるのみこと)との関係が非常に深い神社であり、「熱田大神」は日本武尊のことであるする説の方が正しいと思います。
 これは私見ですが、その根拠としてはいくつか考えられます。

①「天照大神」が「草薙剣」に宿る?これには「古事記」の内容からして、かなり違和感があります。
②熱田神宮の建物は、明治26年までは「尾張造」という尾張特有の建築様式でした。しかし、それ以降は、伊勢の神宮と同じ「神明造」になりました。それは、「天照大神」を中心とする国家神道を進める一環として、「熱田神宮」にも明治政府の意向が働いたと考えられます。
※「尾張造」とは・・・最背面の本殿と前面の拝殿との間に建つ祭文殿、この3つの社殿を回廊で繋いだ、左右対称の建築様式。尾張地方以外では見られない、独特の建築様式。
③これは歴史的な資料ではありませんが、熱田神宮に参拝したときの感覚が、伊勢の神宮の感覚とは全く異なります。本殿の裏手には森があり、その中に「こころの小径」と呼ばれる散策路があります。そこは闇が深く、歩いていると真っ直ぐ歩くのが難しいくらい、クラクラしてきました。
 「熱田神宮」の敷地内からはいくつかの古墳が発見されていることもあり、未浄化の古代霊たちも混在しているために、「熱田神宮」特有の闇の深さを感じさせるのだろうと思います。
 伊勢の神宮では、このような闇は感じません。

 今回は、「熱田神宮」近くの金山駅周辺に宿泊しました。結構、大きな街で居酒屋もたくさんあります。そんな街なので、居酒屋に行かないわけにはいきません。立ち飲み屋でちょい飲みして、お目当ての名古屋コーチンの刺身と焼き鳥目当てに、金山駅から徒歩1分のところにある「炭火鶏焼肉 しんざん」にお邪魔しました。
 はっきり言って、“この店最高!”です。写真は地鶏刺しの盛り合わせ(砂肝・ハツ・レバー・ささみ)です。鮮度抜群で食感も味も文句なし!名古屋コーチンの串焼きは日本酒との相性がよく、鳥刺しと焼き鳥のイメージが変わりました。ありがとうございました。

◀鮮度抜群!「地鶏の刺身」

 その後はホルモン焼き店で、ご当地名物の「みそとんちゃん」を頂きました。名古屋は何でも八丁味噌味であまり好きではなかったのですが、「みそとんちゃん」の味付けは絶妙でした。
 ということで、金山では3件はしごしましたが、気づいたことがありました。1つは、どこの店も生ビールの泡が1cmくらいしかありません。つまり、ビールが多いということです。名古屋の人たちは、泡の多い生ビールは許してくれないのか・・・?それと、ホッピーで「みそとんちゃん」を食べたかったんですが、金山にはホッピーがない!ホッピーの発祥の地は横須賀なので、名古屋には馴染みがないのか・・・?知っている人がいましたら、お知らせいただけると嬉しいです。


▶2014年6月6日 伊勢・熊野・名古屋聖地の巡りの旅(2)

= 熊野詣 =

 伊勢からそれほど遠くないところに熊野はあります。しかし、伊勢の神宮と熊野の神社は歴的な意味が異なり、雰囲気も全く違います。

 熊野は古代から自然崇拝の地でしたが、平安時代後期から更にこの信仰が盛んになりました。というのは、世間に末法思想が広まり、人々の浄土への憧れが強まる中で、広大な照葉樹林の森や“那智の滝”などの荘厳な滝を有する熊野の地が、浄土としてみなされるようになったからです。
 熊野信仰の中心は熊野三山と称される「熊野本宮大社」「熊野速玉大社」「熊野那智大社」の3つの神社のことです。熊野三山に参拝することを「熊野詣(くまのもうで)」といいます。平安当時は、京都から熊野に至る熊野街道(現在の熊野古道)は人々で溢れ、その列が途切れない様子から蟻の行列に例えて、「蟻の熊野詣」と称されるほどだった伝わっています。

 平安時代後期といえば、天皇を上回る権力を持つ上皇や法皇による政治「院政」が始まった頃です。実は、歴代の上皇や法皇たちも頻繁に熊野詣をしました。記録によれば白河法皇は9回、鳥羽法皇は21回、平清盛が活躍した時代の後白河法皇にいたっては34回もの熊野詣をしています。
 なぜ上皇や法皇たちが熊野詣をするようになったのでしょう?その理由は、権力と宗教の関係にあります。古代より天皇は伊勢の神宮と密接な関係をもっており、その関係を権力の支えにしていました。これに対して、上皇・法皇も自らの権力の支えとなる宗教との関係を築こうとしていました。 つまり、天皇への対抗意識から、別の信仰との関係を築いた方が好都合だったのです。その為に、京都から適度な距離にある、聖地熊野三山が選ばれたと考えられています。

 末法思想の広がりによって浄土と考えられるようになった熊野。つまり、熊野は仏教の影響を色濃く受けているということです。その結果、熊野三山は神社の形式を保ちつつ、仏教の要素も色濃く入っているのです。今回の熊野詣で撮った写真をご覧下さい。

  
 ▲熊野本宮大社                           ▲熊野那智大社

 左が熊野本宮大社、右が熊野那智大社です。伊勢の神宮の写真と比べると、伝わってくるものが全く異なるのがお分かりだと思います。伊勢の神宮(内宮)は天皇家の先祖である天照大神をお祭りしていて、神道の清らかさを感じます。それに対して、熊野三山は神仏混合で闇の奥深さも感じさせます。
 では、どうして天皇家の神道に対抗して、上皇や法皇たちは神道を排し、仏教を拠り所にしなかったのでしょうか?これは私見ですが、神道は日本古来の信仰であるのに対し、仏教は日本古来の信仰ではなく飛鳥時代に大陸からもたらされた外来の信仰です。つまり、日本という国は神道が根底にあった上で、仏教もあっても良いという形式を崩すことは一度もありませんでした。それが日本という国の形なのです。だから、仏教勢力が政治的に主導権を取ろうとすると、必ず時の政権が弾圧しました。それほど、古代から日本人の心の奥の芯には神道の信仰が流れており、この流れを変えることを決してしなかったのです。
 私は伊勢の神宮に参拝するほど、やはり伊勢の神宮は日本人の心の中にしっかり根付いているという感覚が深まっていきます。一方、仏教はこの世界には4つの苦しみ(老・病・生・死=生きること自体が苦しみだという考え方です)があり、成仏して極楽浄土に暮らすことが目的となり、この世には戻りたくないという厭世的な世界観です。この意味でも、厭世的な仏教にではなく現実世界(人として自分らしく生きること)を大切にする神道に共感を覚えます。皆さんはいかがでしょうか?

 とは言っても、伊勢に劣らず熊野の海の幸も素晴らしいです。写真は熊野の海辺にある鮮魚専門店で食べた海鮮丼(1,900円)です。2種類のエビが入っていて、丼の中で車海老がピチピチは跳ねていましたが、美味しくいただきました。

◀ピチピチ海鮮丼


▶2014年6月5日 伊勢・熊野・名古屋の聖地巡りの旅(1)

= 伊勢神宮参拝 =

 6月5日~9日(4泊5日)の日程で、伊勢・熊野・名古屋の日本の古代史と関係のある神社に参拝してきました。伊勢の神宮には、毎年何回か参拝しますが、熊野は33年振りに訪れました。そして、かねがね訪れたかった名古屋市熱田区にある「熱田神宮」に参拝することができました。

 伊勢の神宮はいつ訪れても清らかで、日本の心の起源を感じさせてくれる、日本人にとっての聖地だと感じます。私は伊勢の神宮に参拝すると、必ず内宮の正宮内で瞑想します。瞑想していると時間感覚が無くなり、古代から途切れることなく流れて続けている悠久の時間の中で生かされているという、揺るぎない安心感と深い感謝の気持ちに満たされていきます。日本人としての魂が静かに、でも力強く躍動していく感覚に包まれます。そして気づくと静かに涙がこぼれています。
 「どなたかがおわしますかは知らねども、かたじけなさに涙こぼれる」は西行の有名な句ですが、伊勢の神宮に参拝するといつもこの句のような心境になります。この感覚の真髄は、日本人にしか分からないと思います。

◀内宮天照大神「荒祭宮(あらまつりのみや)」

 トラウマセラピストである私が、どうして年に何度も伊勢の神宮に参拝するのか?しかも、希望するクライアントさんを伊勢の神宮にお連れするのか?それは、先の大戦の敗戦でGHQの占領政策で途切れてしまった日本人の心を伊勢の神宮で感じ直すことで、乳幼児期の親子関係でのトラウマによるPTSDで苦しんでいる人たちが、本当の自分(主人格・魂)を取り戻し、本当に自分らしい生き方を取り戻すのに必要不可欠だからです。どうしてそのようなことが言えるのかについては、現在連載中の「『うつ病の起源』と人間の『うつ病の正体』」のシリーズが終わりましたら、新シリーズとしてブログで詳細をお話していきたいと思います。
 さて難しい話しはこの辺にして、伊勢に行くと必ず立ち寄る居酒屋をご紹介します。それは伊勢市駅近くの「とばっ子」というお店です。

◀「とばっ子」のオーナーママと店長さん

 「とばっ子」は平成7年開業です。写真の右側がオーナー(ママ)の「宮濱美津子さん」です。そして、写真の左側が創業時からずっとママの右腕として活躍し、昨年から店長になった「伊藤千奈美さん」です。「とばっ子」は繁盛店なので、忙しい時にはママの2人のお姉さんも手伝いに来て、美人3姉妹が勢ぞろいします。

 実はママのお母さんは現役の海女さんで、「とばっ子」の貝類や海藻はお母さんがその日の朝に採ったものなんです。また魚は地元の漁師さんから直接仕入れているので、鮮度抜群の魚介をお財布に優しいお値段で食べられるという訳です。
 ということで、刺身が美味しいのは当たり前!なので、今日は煮魚を紹介します。

◀地魚の煮付け

 大皿に地魚が3匹も!上から、ガシ・メバル・アイナメです。これで何と650円です!東京では考えられないお値段です。3匹とも身がプロプリして生来の漁師の味付けの味も相まって、口に入れると美味しすぎて言葉が出ませんでした。そして、残った煮汁と骨と頭で「病気知らず」という料理をママが作ってくれました。それは、丼に煮汁と骨と頭を入れて熱湯を注ぐだけなんですが、魚をまるごと食べ尽くすという漁師料理だそうです。なるほど・・・、漁師出身のママならではのおもてなしです。
 写真のショーケースの右側には、もっと大きなショーケースがあって地魚がたくさん入っているんですが、お好みに応じて料理してくれるというサービスもあります。とにかく「とばっ子」は、伊勢の海の幸を、お財布に優しいお値段で思う存分味わえるお店です。是非、伊勢に行った折にはお訪ねください。
「川崎の鈴木のブログを見ました」と言えば、サービスがあるかも・・・?(繁盛店なので、予約した方が安心です。059―626-0417)


▶2014年5月31日 イベント「男と女の本音夜話会(2)」報告

イベント「男と女の本音夜話会(2)」報告

 5月31日(土)の13:30~16:30に、「男と女の本音夜話会(2)」を行いました。1回目の参加者は13名でしたが、今回は15名の方に参加して頂きました。多くの方にご参加頂きましてありがとうございました。勿論、今回も会の後の懇親会は盛り上がりました。

 今回のテーマは「男と女が心と体で分かり合い、受け入れ合うとはどういうことか?」でしたが。後半に向かうに従って、精神的な話しが多くなり「男と女が精神的に繋がる」とか「受け入れる」などの方向に向かったために、内容が抽象的になってしまったかな・・・という感じでした。

 人の心や意識にはある法則があります。その1つに、「ほとんどの人は自分の本当の本音を知らない」ということがあります。
 「本音と建前」とい言う言葉があります。昔の日本人は、この2つをうまく使い分けていて、自分との付き合い方や人間関係などに賢く適応していました。歴史的には戦や飢餓はありましたが、戦のないときは庶民は精神的に大きな問題をかかえないで生きてこられました。その頂点が江戸文化だったと思います。「火事と喧嘩は江戸の華」というように、精神的には自由で平和で活気ある文化でした。

 しかし、戦後の日本人は、敗戦によって日本文化が切れてしまったために、真に「自分らしく生きる」ことができなくなってしまいました。(若い人ほど、「自分らしく生きられていない」「自分らしく生きる方法が分からない」と感じている人が多いと思います。)その結果、人と関わることに怖れを感じるようになり、建前が本音だと思い込むようにして、綺麗事で表面的な人間関係や恋愛関係になってしまったのです。トラウマセラピーでは、このような精神面での現象を「建前の本音化」といいます。
 今でも日本全体に「建前の本音化」は強まり続けています。つまり、嫌われたり見捨てられたりする恐怖を動機としているにも関わらず、「相手の気持ちを考え、自分は感情的にならない(自己主張しない)のが正しい生き方」という綺麗事の観念が、まるで正しいことのように(空気のように)蔓延しています。そのために、自分の本音を何も知らないまま、建前が自分の本音だと思い込んでいる日本人が大多数になってしました。その結果、「本当に自分がやりたいことが分からない」人も大多になり、人間関係(勿論、男女関係も)が益々表面的になっています。
 「さとり世代」と呼ばれている人たちがいます。このような人たちは典型的な「恐怖が動機」で「建前の本音化」が強い人たちです。(「さとり世代」については、2014年1月25日のブログをご覧下さい)

 ◀「夜話会」風景。この後の懇親会は大いに盛り上がりました!!

 今回の会は、「建前の本音化」の傾向の強い人が何名か含まれていたために、全体の話しが観念的で綺麗事的な方向に多少引っ張られた感があり、全体として綺麗事の建前の層の下にある本音の層に入にくい傾向がありました。
 そのために、参加者の感想を拝見すると、「もっと本音で話したかった」「もっと、(観念的ではない)セックスや恋愛の話しをしたかった」「もっと男の(女の)本音を知りたかった」という意見が多くなったのだと思います。

 今回の会を振り返ると、やはり建前を本音だと信じ込んでしまうと、話しの内容は観念的で綺麗事になってしまいますし、それを話している人の話しは、本人は気づかずに「自慢話し」になってしまうことを改めて感じました。その結果、本音が深まらないというになってしまいます。
 このようなことがありましたので、次回は模範解答的な綺麗事の下に封印してある本音、つまり普段は「恥ずかしくて」「人にどう思われるか怖くて」「絶対に言わないと決めているから」言えないような本音を語り合うこと(或いは、ぶつけ合うこと)に徹する会にしたいと思います。

 従って、次回の「男と女の本音夜話会(3)」のテーマは「誰にも言わなかった(言えなかった)セックスの話しをトコトン語り合う(仮題)」にしたいと思います。
 このテーマに関して、大人の男女が本気で本音で話し合い、話しが深まれば、「相手も自分も、精神的にも肉体的にも満足を感じ、相手を受け入れ合い、双方が真に満足できる男女関係を育てるにはどうしたらいいか?」の答えが見えてくると思います。
 やはり、「真に親密な男女関係を築くためには綺麗事はいらない!」これが真実ではないかと改めて感じます。

 次回の「男と女の本音夜話会(3)」の概要は以下の通りです。詳細は後日メンタルサポート心理相談室HPの「イベントサイト」で告知します。本音でトコトンセックスについての話し合いに参加したい方は、ちょっぴり勇気を出してご参加ください。お待ちしております。

●⇒日 時:平成26年8月30日(土)13:30~16:30
●⇒場 所:小田急線新百合ケ丘駅下車 徒歩4分「新百合ケ丘レンタルスペース」
http://shinyurispace.web.fc2.com/access.html
●⇒テーマ:「男と女が心と体で分かり合い、受け入れ合うとはどういうことか?」
=異性に本当に求めている親密な心の関係とは?真に親密なセックスとは?=
●⇒参加者:3,000円(当日、会場でお支払い下さい)
●⇒お申し込み方法:お名前・性別・人数・連絡先(メールアドレス)・参加動機などを添えて、「お問い合わせ・お申し込みフォーム」またはメールにてお申し込みください。
●⇒懇親会:会の終了後、希望者の方々と懇親会を予定しています。


▶2014年5月15日 「うつ病の起源」と人間の「うつ病の正体」(5)

=胎児期の記憶

 前章の「うつ病の起源」と人間の「うつ病の正体」(4)をお読み頂いて、胎児期記憶なんて本当にあるの? と 疑問を感じた方はたくさんいるでしょう。しかも、常識的には子宮内は安全なはずなのに、子宮内からトラウマは始まっているなど、特に出産経験のある女性にはとても認めることができない考え方だと思います。
 しかし、トラウマセラピーの過程で胎児期記憶を思い出す人はたくさんいます。子宮内トラウマの課題を解決すると症状は緩和されるか消えてしまうのです。このようなことを日々目の当たりにしている私にからすると、社会常識や旧来の産科医療や心理学の事実認識は間違っていると言わざるを得なせん。

 前置きはさて置き、最近の症例でクライアントさんが思い出した胎児期記憶をご紹介します。以下の内容は決して作り話ではないことを改めて申し上げます。


【症例1】20歳代・男性

暗くて狭いところにいる。周りの壁はブヨブヨいている。手の指はできている。体は30cmくらい。最初は何も感じなかった(麻痺させているからです)が、徐々に感覚(当時の感覚記憶)が戻ってくる。そして、孤独を感じ始める。「嫌な感じ」「母親は私に関心がない」「一人は怖い」「誰かに助けて欲しいが、誰も助けてくれない」などを話す。そして、人や社会への期待を諦めると決めていく過程を思い出す。また、孤独の恐怖や誰も助けてくれない絶望を感じ、それを感じないように麻痺させたことも思い出す。

《解説》⇒彼は子宮内で感じていた恐怖や絶望、辛い感覚などを麻痺させて感じないようにしていました。つまり、辛さを感じないために自分の感覚を消すと決めた(選択した)のです。その結果、本当の自分の感覚も分からなくなり、自分が何をしたいかも分からなくなっていったのです。
 すでに胎児期の段階で親への期待を諦めたことで、根強い人への不信感は全ての人に投影されています。そして、人間関係は常に緊張しており、親密な人間関係を築ける状態ではありませんでした。その結果、原因の分からない症状や生き辛も常に感じていました。

【症例2】30歳代・女性

 身体感覚からフォーカシングを始めると、直ぐに極度の身体緊張と震えが始まる。恐怖で体が丸まってくる。自分の姿を認識させると、腕の原器はできているが指はできていない(約6週目位の状態)。母親は妊娠していることには気づいていないが、母親の体は胚(胎児)を拒否していて排除しようとしている感じで、流産死の恐怖を感じ震えている。そして、妊娠3ヶ月程度に成長すると、「産まれたくない」「産まれると辛い目に合うのが分かる」と言う。背中に違和感を感じ始める。「母親の闇が(背中から)入ってくる」「(闇によって)自分が消される」と言って、更に怖がる。

《解説》⇒彼女は、初期の面接で死産した兄がいることをとても気にしていると言いました。兄も、このような恐怖体験をして死産を選んだのだろうと考えられます。母親は常に父親の暴言に怯えており、自分のことで精一杯で子どもに関心を向ける余裕はなかったと考えられます。彼女も体内(子宮内)で母親が感じていた感覚を感じていたといことも思い出しました。
 彼女は大人になっても、強い人間不信・全身の緊張・各部の痙攣がありました。これらの症状の根本原因は子宮内トラウマだと考えられます。彼女はまさに過酷な子宮内からのサバイバーだったのです。

【症例3】40歳代・女性

退行催眠で子宮内の戻ると、背中から恐怖が襲ってくる感じがして震え出し、体が丸まっていく。彼女は、背中から引き出されそうな恐怖を感じると言う。

《解説》⇒彼女に、母親(幸いご存命でした)に彼女がお腹にいた頃のことを聞いてくるように伝えました。次回の面接で彼女の母親は、夫(女の父親)と別れ話しが出たので一旦実家に戻ったそうです。そして、祖父母と相談して「子ども(本人)を中絶して離婚する」と決めたそうです。そう決めた直後に、母親の夫(彼女の父親)が迎えに来て和解し、離婚は回避されて彼女は産まれたという話を聞かされたとの報告を受けました。彼女は、今までこの話しを聞いたことはありませんでした。
 つまり、子宮内で背中から引き出されるかも知れないという中絶の恐怖の記憶を、彼女は思い出したのだと考えられます。


 このような症例を読んで皆さんはどのように感じましたか?信じられない方もいらっしゃるのではないかと思います。でも私の臨床体験では、程度の差はありますが子宮内トラウマ体験が全くない人はいませんでした。その体験とクライアントさんの取り組みの経過で回復していく姿をみると、前述の症例でご紹介した胎児期記憶の内容は事実なのだと考えています。これが臨床体験を踏まえた私の見解です。

 胎児期の恐怖の記憶は心と身体の奥深くに刻み込まれ、後々様々な心身の症状や生き辛さの主要な原因になります。

 私の相談室を訪れるクライエントさんの多くは、物心ついた以降のトラウマが「自分の症状や生き辛さの原因です」と思い込んでいます。でも、そのようなトラウマ体験は胎児期や乳児期のトラウマを強化するための記憶だと考えられます。つまり、記憶から消され心身に刻み込まれた起源の記憶こそが、PTSDの根本的な原因なのです。取り組みを続けていく過程で、クライアントさんはこのことを事実だと認められるようになっていきます。

 このように胎児期から始まる記憶は、多くの場合は無かったことになり、PTSD の症状の根本的(本当の)な原因になっていることを誰にも(心の専門家にも)気づかれないまま闇に葬られ、症状と生き辛さは潜伏化し慢性化してしまったのです。この慢性化した症状が長期間続くと、症状は固定されて本当に病気的状態へと進行してしまします。このようなことが全ての医療機関の現場で日々起こり、着実に進行していると私は考えています。
 PTSDの症状から、慢性化を経て症状の固定化が進み病気へと進行する。でも、まだ症状の段階でしたら、勇気を持って胎児期及び乳幼児期のトラウマ記憶を思い出すことで、根本的な改善に向けたスタートラインに立つことができるのです。


⇒ 「うつ病の起源」と人間の「うつ病の正体」(6)へ続く
(本シリーズは、平成26年3月24日スタートです)


▶2014年5月1日 「うつ病の起源」と人間の「うつ病の正体」(4)

=恐怖の記憶は一生涯忘れない=

 脊椎動物の神経系は「管状神経系」と呼ばれていて、管状構造の脊髄の先端部分が膨らんで脳が作られます。そして、脳が司令塔となって身体全体を集中制御(コントロール)する仕組みになっています。また、脳が発達するほど記憶能力と情報処理能力が向上し、それに伴って学習能力も発達していきます。この学習能力こそ脊椎動物が繁栄する原動力になったと考えられています。
 それほど高度ではありませんが、魚でも記憶と学習能力はあります。日々、池の前で手をたたいて餌を与え続けると、鯉は手を叩くだけで餌を求めて集まってきます。これも学習能力の成せる技です。
 自然界では天敵に襲われたときに感じた「強い恐怖」を記憶して、再びそのような危険な状態にならないようにするために、学習能力を持つことは種の絶滅を防ぐためには欠かせません。魚を使ったうつ病の実験で紹介したように、ゼブラダニオは天敵のリーフシュと1ヶ月もの間同じ水槽に飼育されていたことで、その恐怖の記憶は消えることがなくなってしまったと考えられます。そして、扁桃体は活発に活動に続けるようになったことで、ゼブラフィッシュの体内には高濃度のストレスホルモンが出続けるようになった訳です。その結果うつ状態になり、水そうの底でじっとして動かなくなってしまったと考えられます。

【フラッシュバック】

 ある出来事がきっかけとなって過去の強烈な恐怖の記憶が引き出され、体が凍りついたような緊張状態を経験した人は少なからずいらっしゃると思います。また、その緊張状態が慢性化して、病院や精神科クリニックに通院している(した)人もいるかも知れませんね。
 このような心理的・身体的な突発的現象を「フラッシュバック」と呼びます。「パニック障害」という診断名がついている症状は、この激しいフラッシュバックによって作られます。
 トラウマセラピーで重要なのは、胎児期や乳幼児期の恐怖や辛い記憶が大人になっても繰り返し思い出されることで様々な症状化が起きて、日常生活に支障がでるようなケースです。このような症状の総称はPTSD(トラウマ後ストレス障害)と呼ばれています。メンタルサポート心理相談室のクライアントさんは、胎児期や乳幼児期の恐怖や辛かった記憶がフラッシュバックして起こる、様々なPTSDの症状を抱えています。
 しかし、フラッシュバックの明確な認識がなくても、軽い(あるいは無自覚な)フラッシュバックは誰でも起こっています。どうして無自覚なのかと言うと、「自分には問題はない」と信じている人たちは感情や身体感覚が高いレベルで麻痺させているために、軽いフラッシュバックが起こっていることに気づけない状態になっているからです。
 例えば、原因が良く分からない様々な症状(対人緊張や漠然とした不安・無気力や無力感・疲れやすさ・不眠や生き辛さ・恋愛ができない・親友と言える人がいないなど)の原因を、退行催眠などの方法を使って探っていくと、乳幼児期(或いは胎児期)の恐怖体験を必ずと言ってよいほど思い出します。
 以上のように、無自覚であったとしても誰にでも潜在的にフラッシュバックは起こっており、そのことによって常に緊張状態が維持していると考えられます。その結果、うつ状態(うつ病)を含む様々なPTSDの症状が慢性化していると考えられます。

【胎児期の記憶は一生残る】

「個体発生は系統発生を繰り返す」と言葉をご存知でしょうか? 個体発生とは胎児(胚)の発育過程のことで、系統発生とは進化の過程のことです。下図は脊椎動物(魚類~ヒト)の発生過程を示したものです。左端の縦の列は魚類で、右端の縦の列はヒトの胎児の発生図です。きっと、この図は高校の生物の授業で見た記憶があるかも知れませんね。

◀「脊椎動物の胚発生図」

 ここで注目して欲しいがあります。全ての脊椎動物の発生初期の胚の形(解剖学的な内部構造も含めて)は類似しており、魚のような形をしています。魚類はそれ以降の発生は進まずに、初期胚の形のまま成体になります。ヒトの最上段の胚を見てください。胚は受精後約6週目のものですが、目の下がギザギザになっています。これは鰓裂(さいれつ)と呼ばれ、このまま発生が進めば鰓(えら)になる部分です。しかし、ヒトでは浮き袋の原器から肺が作られ、鰓裂は消えてしまいます。首はこの鰓裂が消えた部分です。だから首はくびれているのです。
 このように受精後6週の段階では、ヒトは形態的にも解剖学的にも魚類なのです。つまり、うつ状態になったゼブラフッシュのように、ヒトでも6週目の胎児が体験したこと(特に恐怖の記憶)を記憶していると考えられます。これが子宮内トラウマの胎児期記憶です。
 胎児期が子宮内で体験したストレス反応は脳や身体全体に記憶されており、その記憶とストレス反応のパターンは生涯に渡って続くことは、最新の胎児期研究でも確認されています。この最新の研究で検証された結論と、私の臨床現場で得た結論と一致しているのです。だからこそ、退行催眠によってクライアントを胎児期に退行すると、ほとんどの人が胎児期の恐怖体験を思い出しますし、この恐怖体験を十分に思い出して味わって恐怖記憶を解放すると、うつ状態を含む様々なPTSDの症状が改善したり、消えてしまうのです。勿論、「薬を全く使わずに」です。

【忘れることは全てを思い出すこと】

 精神医学もそうですが、現在社会的に認知されているカウンセリングや心理療法では過去を振り返りません。というより、過去を振り返ってはいけないことになっています。まして、PTSDの原因となっている抑圧された過去の感情(恐怖や不安・絶望など)を扱うことは全くと言ってよいほどありません。これは現実(事実)を反映していない、極めて不可思議なことです。どうしてこのようなことになっているでしょうか?

 現在、病院や精神科クリニック、そして社会一般で行われているカウンセリングや心理療法の誤謬については、本シリーズが終わりましたら新シリーズ(「日本人はカウンセリンとニューエイジ(精神世界)系セラピーで洗脳されている」)でお伝えしていきますのでご期待下さい。

 このように、精神科クリニックやカウンセリングや一般のセラピーでは、症状の根本の原因である過去の記録を扱わないで、薬物療法や思考で処理する認知行動療法が使われています。困ったことに、最近ではアメリカ直輸入のニューエイジ(精神世界)系セラピーが、精神科クリニックでも流行しており、その勢いは増しています。勿論、これらのセラピーも感情は全く扱いません。記憶や認知を思考で操作して問題を解決したことにしてしまうのです。これでは、根本的な解決はできないどころか、返って症状の原因となっている過去の記憶を更に潜伏化させてしまい、もっと根深く分かりづらい症状化が進むことになります。

 「忘れることは全てを思い出すこと」という言葉があります。この言葉は人の生き方や心の有り様を、真に理解した上での言葉だと感じています。現在の症状の本当の原因となっている抑圧された過去の様々な記憶を完全に思い出し、過去の未解決の課題を根本的に解決することこそ、症状のない真に自分らしい生き方を取り戻す方法だと考えています。

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(本シリーズは、平成26年3月24日スタートです)


▶2014年4月22日 「うつ病の起源」と人間の「うつ病の正体」(3)

=うつ病と脳の萎縮=

 うつ病患者の脳を調べると、アルツハイマーや統合失調症を発症した人ほどではありませんが、脳に軽度の萎縮が見られます。

◀うつ病・統合失調症・アルツハイマー患者の脳萎縮

 では、どうして脳が萎縮するのでしょうか?
脳の神経細胞は互いに突起を伸ばして、情報伝達をする場所(神経連絡・シナプス)を形成します。正常な状態だとシナプスは突起を伸ばして、網の目のようなネットワークを作ります。しかし、過剰なストレスホルモンにさらされ続けると、シナプス形成が阻害されて脳が萎縮してしまいます。これが高濃度のストレスホルモンに曝され続けると、脳が萎縮してうつ病を作り出すメカニズムです。このような脳の萎縮は、統合失調症やアルツハイマーの患者同様に、うつ病患者でも見られるのです。

 脳が高濃度のスレホルモンに常に曝され続けると、脳の栄養分である「脳由来神経栄養因子(brain-derive neurotrophic factor=BDNF)が減少してシナプスの成長ができなくなったり、シナプスが維持できなくなります。つまり、脳の萎縮してしまうのです。
脳のエネルギー源はブドウ糖ですが、BDNFが神経細胞の形成や発達に欠かせない栄養素だからです。

【BDNFとは(ちょっと専門的になりますが、必要なので説明します)】
神経細胞の分化と成熟・神経(樹状)突起の分枝・シナプス新生といった、神経回路の発達と機能の根源的な現象に強く関与している、神経細胞の成長を調節する脳細胞の増加には不可欠な神経系の液性タンパク質。BDNFは、神経細胞自身や周りの細胞で生産され、他の神経細胞に与えられる。
最近では、BDNFの分泌量が、うつ病・統合失調症・アルツハイマー・発達障害など、様々な精神・神経疾患に影響を与えていると考えられている。

 血液中のBDNF量は測定可能です。以下のグラフは、医療法人「公徳会」病院のうつ病患者の入院直後と退院直前の、うつ重傷度(点数)と血液中のBDNF量の測定結果です。ご覧のように、両者の違いは明確です。



 脳の萎縮が同じように起こっていることを考えると、統合失調症やアルツハイマーの発症の初期段階は、うつ病の発症と同じようなことが起こっていると考えられます。
 このようなことが共通して起こるのは、患者たちの扁桃体が常に活発に働いていて、血中のストレスホルモンが高濃度に維持されており、その結果BDNFが減少しているからだろうと考えられます。と言うことは、患者たちは何らかのストレスに常に曝され続けていることになります。しかし、これらの患者たちは、仕事ができる状態ではないでしょうし、安全な病院に入院しているケースがほとんどでしょう。つまり、ストレスのない安心できる環境にいるはずだと考えられます。

 それなのに、どうして脳が萎縮するようなストレス反応が維持されているのでしょうか?それには、記憶が深くかかわっていると考えられます。つまり、過去の恐怖を感じた時の感情や感覚(緊張状態を作り出すような)の記憶が、多くの場合無自覚に引き出されて、常時扁桃体は刺激され高濃度のストレスホルモンが分泌され続けていると考えられます。このように体内に封印されている大量の恐怖の記憶を、根本的に取り除くことでしか、うつ状態(うつ病)が根本的な改善(再発症しないという意味)はなのです。

 ここで、先ほどの医療法人「公徳会」のデーターに関して補足しておきます。病院での治療は薬物療法が柱で、心理療法は補助的なものです。薬物療法の内容はストレスホルモンの分泌を抑制したり、ストレスホルモンの受容体をブロックする薬物や、BDNFの分泌を促進する薬物を投与したりBNDFを増やすための栄養療法が柱です。その結果、先ほどのデーターに示すような結果を得ることができると考えられます。しかし、恐怖の記憶を心理学的に消去するという根本的な治療にはなっていません。

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▶2014年4月15日 「うつ病の起源」と人間の「うつ病の正体」(2)


=魚もうつ病になる=

 うつ状態(うつ病)には様々な症状が含まれます。一般的には、悲しみ ・ 空虚感 ・ 気分の落ち込み ・ 活動への興味や意欲の減退 ・ 倦怠感や無力状態 ・ 疲れやすい ・ 生きていることへの無価値感や自殺念慮などです。このような状態が2週間以上続くことが、うつ病の基準となっています。
 でも、ショックな出来事があれば、短時間なら誰でもこのような症状は経験していますよね。

 では、人はなぜうつ病になるのでしょうか? そのメカニズムの研究が動物の研究から始まっています。驚くことに、それらの研究から魚もうつ病のようになることが分かってきました。更にチンパンジーでは、人と同じようなうつ病が確認されています。そして、うつ病を引き起こしている起源は、天敵から身を守るための防衛本能であったと考えられるようになってきました。
 つまり、人類は進化の過程で、うつ病になる仕組みを抱え込んでいたのです。これが最新の動物研究によってもたらされた成果です。
 実は、この研究結果と考え方は、メンタルサポート心理相談室が独自に開発したトラウマセラピーの考え方が正しいということを証明することになっています。そのことは、順を追って説明していきます。

【うつ状態の魚を作る実験】

 ある環境に長時間曝されると、魚でもうつ状態を作り出すことができます。北米ストレス行動学会の研究によると、天敵から身を守る仕組みがうつ病と深く関わっていることが、魚を使ったうつ病の研究から分かってきました。
 淡水の熱帯魚を飼ったことのある方ならご存知かもしれませんが、研究に使われた魚はゼブラダニオ(ゼブラフッシュ)とその天敵であるリーフフィシュです。実験群は、ゼブラダニオの水槽に天敵であるリーフシュッシュを入れ、1ヶ月間飼育しました。対照群は、ゼブラダニオだけで飼育しました。

 ◀ゼブラダニオとリーフフィッシュの混合飼育(実験群)

 その結果、常時天敵の恐怖に1ヶ月間さらされたゼブラダニオは、天敵がいなくてもその場にとどまって動かなくなったのです。実はこのような状態は、自然界ではありえない特殊な状態です。勿論、対照群のゼブラダニオは活発に自由に泳ぎ回っていました。
 研究者がうつ状態の魚のストレスホルモンを調べたところ、うつ状態の方はストレスホルモンが大量に出続けていました。実験群のストレスホルモン量は2.2ng(ナノグラム)/dl(デシリットル)に対して、対照群は1.0ng/dlでした。


 ▲うつ状態のゼブラダニオと正常個体のストレスホルモン量の比較

 ストレスホルモンの分泌が止まらなくなると、魚でもうつ状態になってしまうのです。人間のうつ病患者のストレスホルモンの量も極めて高くなっています。あるうつ病患者のストレスホルモン量は6.7μg(マイクログラム)/dl(デシリットル)に対して、うつ病でない健康な人の平均は3.0μg/dlです。

【扁桃体とストレスホルモン】

 ストレスホルモンを分泌するのは脳の扁桃体という部分です。勿論、脊椎動物である魚の脳にも人間同様、扁桃体は存在します。扁桃体は天敵に出会うとストレスホルモンを分泌して緊張状態を作り出し、全身の筋肉の運動性が高まります。その結果、素早く天敵から逃げることができるのです。この仕組みが、生存率を高めて絶滅から回避する仕組みになっていて、この仕組みは脊椎動物に共通するものです。
 人は脊椎動物の起源である魚類から進化しました。つまり、天敵(肉食獣)が多く住むサバンナで誕生した原始の人類も、扁桃体から分泌されるストレスを使って天敵から身を守る仕組みを魚以上に進化させて生き延びてきたのです。

 ストレスホルモンは天敵に襲われるような緊急時だけ必要なものです。緊急時以外の時間は、ストレスホルモンの分泌は減少してリラックスしています。通常はこの緊張とリラックスのバランスが適度に保たれており、この状態ではうつ状態(うつ病)にはなりません。しかし、常に高濃度のストレスホルモンが分泌し続けると、(うつ状態)うつ病になってしまうのです。

 また、脳が常に高濃度のストレスホルモンに曝されると、脳に異変が起こります。その異変とは、脳が萎縮してしまうのです。


⇒ 「うつ病の起源」と人間の「うつ病の正体」(3)へ 続く
(本シリーズは、平成26年3月24日スタートです)



▶2014年4月6日 「日本の古代史を訪ね、日本人の心を感じる旅 伊勢神宮参拝ツアー」

 平成26年4月4日~6日(2泊3日)で、伊勢の神宮参拝ツアーを行いました。募集定員は6名でしたが、ツアーの案内を告示した当日に定員に達しました。それほど、日本人の心にとって神宮は大きな存在だと再認識しました。

◀「日の出の宇治橋にて」

 幸い桜は満開でした。でも、夕方はみぞれ混じりの雨が降るほどの「花冷え」の中での瞑想は、寒さが見に滲みました。ご正宮の澄み切った神聖な神気の中で行う瞑想は、心の奥に抑圧されている感覚をより深く感じさせてくれます。ご正宮という場は、心身の奥底に眠っている感覚を蘇らせる力がとても強いと改めて実感しました。やはり神宮は、日本人の心を生き生きと蘇えるよう導いてくれます。このような場所は世界のどこにもありません。

◀「天照大御神の荒祭宮」

 瞑想を始めると最初に感じやすくなるのは、潜在意識に抑圧されたネガティブな感情や感覚(主にトラウマの心の闇)です。瞑想を繰り返し続けていくと、この闇の下には普段は感じることができないような、本当の自分の感覚があることが分かってきます。この感覚を感じられるようになると、「トラウマの心の闇」が本当の自分を封印していることを実感できるようになります。この実感が深まると、本当の自分を感じながら生きるためには、闇を浄化することが如何に重要なことかが分かってきます。事実、浄化が進むほど「心の闇」の下に封印した本当の自分の感覚を感じられるようになり、自分らしく生きられるようになっていきます。

 伊勢の神宮のご祭神は天照大御神です。つまり太陽神です。人は誰でも「心の闇」をたくさん抱えています。光の対極は闇です。この光と闇はちょうど愛と恨みのように、対になって宇宙に存在しています。日本人は心に闇を抱えながら、伊勢の神宮には光をお祭りしているのです。これは人の(宇宙の)真理を学ぶための組み合わせになっています。自分が抱える闇を感じ、同時に神宮の神気と神宮に降り注ぐ太陽の光を感じることで、生きていることの意味の深さを心と体で感じることができるのです。
 今回のツアーの参加者の中にも、この感覚を感じることができた方がいらっしゃいました。

 自分の中にも光はあります。それは魂の光です。でも、内なる光を感じられるようになるためには、闇を浄化する取り組みが必要です。魂の光は天照大御神(太陽)の光の写しでもあります。この深い意味を感じることができれば、浄化することの意味も更に実感的に分かってくるでしょう。
 浄化法は様々な方法がありますが、一般的には「滝行」がイメージしやすいと思います。今年も夏(8月と9月)には「はじめての滝行体験ツアー」を行ないます。興味がある方は、ご参加ください。

http://www.kokoro-support.com/taki/takitop.html

 今回のツアーに参加して頂いた方々の浄化の度合いは様々した。その浄化の進み具合によって何を感じたかは異なります。浄化がほとんど進んでいない人は、心身に抑圧した闇だけを感じましたし、浄化が進んでいる人は心と体の感覚や欲求をリアルに感じることができた人もいらっしゃいました。このように浄化の進み具合によって感じ方は異なりますが、この体験を踏まえて課題を明確にして頂ければ幸いです。

 勿論、夜には伊勢の海の幸で直会(なおらい)を行いました。お酒も入り会話も楽しみながら、伊勢の夜は更けていきました。

 9月にも伊勢の神宮参拝ツアーを行います。上述したように、メンタルサポート心理相談室の伊勢神宮参拝ツアーは、一般の観光とは全く意味が異なります。なので、「日本の古代史を訪ね、日本人の心を感じる旅」としました。「はじめての滝行体験」と「「日本の古代史を訪ね、日本人の心を感じる旅」もイベントサイトで告示しますので、日本人の心のふるさとである日本の古代文化と本当の自分の心に関心のある方はご参加ください。

 皆様にお会いできるのを楽しみにしております。