【 自我の衰弱と心理療法 】
心ある医師は、
「私が病気を治しているのではありません。患者さん自身の自然治癒力が病気を治しているのであって、医師はその自然治癒力の手助けをしているだけです。」
と言います。もし、患者さんの体力が衰弱して、自然治癒力が病気の回復を支えるレベル以下に衰弱した場合は、どのような医学的な治療をしても回復することはありません。
心理療法もこれと同じ事が言えます。
「セラピストが症状を治しているのではありません。クライアントさん自身の自我の力と、どんなことがあっても元気になるんだという生きようとする強い意欲が、クライアントさんを回復させるのです。セラピストは寄り添って見守り、クライアントさんに勇気と力(エネルギー)を与えているだけです。」
と。つまりクライアントの自我が、あるレベル以下に衰弱している場合は、心理療法を行う事は困難になってしまいます。
【 催眠療法は激しい心理療法 】
最初にも書きましたが、催眠療法は心理療法の中でも激しい療法です。過去に抑圧したネガティブな感情を解放するときに生じる不安定な精神状態を利用して、治療を行うからです。日常の生活をこなしている人でも、1〜2週間くらい不安定になることがあります。(これをヒーリングクライシスといいます。)お分かりのように、もともと精神的に不安定だったり自我の力が衰弱していると、このような激しいセラピーに耐えられない可能性が高まってきます。
催眠療法によって抑圧していたネガティブな感情が解放されるために、起こり得る危険な状態としては、次ぎのような状態が考えられます。
※ さらに精神的状態が不安定になり、パニック状態になったり、あるいは無気力状態になったりする。
※ 自爆自棄状態が深まり、厭世感や自殺念慮が強くなる。
※ 実際に自殺行動を起こす。
