【トラウマ(心的外傷)ってなに?】
トラウマと言う言葉を、よく耳にするようになりました。どこかで聞いたことのある人は多いと思います。はじめに、トラウマについてお話したいと思います。トラウマとは「心的外傷」と言い、次のように定義されます。
「心理的刺激によって、心のバランスを失うほど情緒的なショックを与えられたとき、無意識のうちに心の中に残される痕跡。」
具体的には、どのような出来事なのでしょうか?。
(1)幼児期の虐待。
(2)災害や戦争による、悲惨な体験。
(3)いじめ体験
(4)犯罪被害体験
(5)その他、とても辛かった体験。
などです。本人が非常に辛くてショックを受けた体験は、すべてトラウマになり得ます。ですから、程度の差はありますが、トラウマ体験を持っていない人はいないと思います。いま問題になっている、青少年の残忍な犯罪・不登校や引きこもり・様々な依存症は、主に幼少期の親からの心理的・身体的虐待が原因になっている場合がほとんどです。
トラウマと言う言葉は、フロイトが「ヒステリー研究」(1895年)の中ではじめて使いました。現在は、トラウマによって起こる症状を病気と捉えて、PTSD「心的外傷後遺症としてのストレス障害」と分類されています。この分類は1980年に、DSM−V−R(アメリカの病診断基準)に登場しました。
【PTSDの症状】
医学的には、PTSDの症状は次のように言われています。「入眠困難・怒りっぽい・集中困難・過度の警戒心・驚きやすさなどの脳の興奮状態。」
メンタルサポートでは、主にトラウマによる後遺症の方々を治療していますが、実際の症状は上記より広範囲になることが分かっています。医学的には症状は興奮状態が中心のように考えられていますが、実際には無気力・抑うつ状態・不安などの、どちらかと言うと精神活動が低下していく症状も多くの方が抱えています。そのような方の中には、病院で軽度のうつ病と診断されて、抑うつ剤を投与されている方もいらっしゃいます。
詳しい病状は【トラウマによって生じる様々な症状】をご覧下さい。
【PTSDの治療法】
★医学的アプローチ★
薬物療法が中心となります。一般的には、抗うつ剤・抗不安剤・入眠剤が投与されます。薬物療法は、時によっては必要で有効な場合もありますが、症状の原因は心理的なものなので、完治するには心理的なアプローチがどうしても必要になります。
薬物は長く服用していると、薬そのものに依存する傾向が強まっていきます。また、薬物投与によって自我が弱くなってしまい、心理療法をやりにくくなりますので、薬物は必要最低限に止めて欲しいと思います。
★心理的アプローチ★
トラウマによってできた心の傷を癒やしていくことが、とても大切な治療になります。いま一般的に行われているのはカウンセリングです。カウンセリングは意識を使って、言葉で心の中を探っていきます。効果の方はというと、PTSDまたは依存症の場合、時間がかかり過ぎたり、あまり効果がないケースが少なくありません。実際に「カウンセリングを1〜2年続けた。そのときは少し気持ちはラクになryが、すぐ元に戻ってしまう。」と困って、催眠療法にたどり着く人が結構いらっしゃいます。
なぜカウンセリングがあまり効果的ではないのでしょうか?少し私の考え方をお話致します。
トラウマは無意識のうちに、潜在意識の中に刻印されてしまいます。この傷は過去のトラウマと同じ様な(似たような)状況になると、無自覚にそのときの感情が引き出されてきます。そうすると、訳が分からないうちに動揺が激しくなったり、パニックになったりします。本人は全く分からないうちにです。
潜在意識で起こっていることは、意識ではなかなか捉えることができません。カウンセリングは言葉によって、心の中を少しずつ探っていく、大変骨の折れる作業です。時間もお金も労力も浪費していきます。効果があれば良いのですが、ない場合にはなおさらです。催眠療法は、最初から直接潜在意識に入っていきます。初回でかなりの気づきと癒やしが起こる人も珍しくありません。意識ではなくて、感覚で直感してしまうからです。このことは、体験した人でないとおそらく分からないと思います。私達は、考えることに慣れきっています。自分を感覚で感じていくことが、どうのようなことかピンとこないのは当然です。しかし、このような傾向が、さらに治療を困難にしているのです。
潜在意識の奥に眠っている、本当の自分の感情を感じることが、治療の第一歩なのです。
